くら寿司より愛をこめて。。。
カウンターの奥では黒いキャップを目深に被った青年が彼女と何か話していた。
店内はいつも騒々しい。とにかく回っているのだった。ベルトコンベアを駆動させるモーターの音やプラスチックの食器のぶつかりあう音と店員のせわしなさがイヤに気になった。
わたしはホタテを何枚か食べた。他にもビントロ、赤エビもいただいた。粉末緑茶は何度かオカワリした。一度に7サジと決めているのだ。
やがて。注文メニューの液晶から握り寿司の写真が消えた。今日は川下りだ。
わたしは何気にカウンターの奥をうかがった。若い男はこちらに背中を向けたまま動かなかった。
今日は運がいい。カヌーの少年は意中の少女に無事、綺麗な花束を贈ることが出来た。
奥の2人はお皿4枚分の会計を告げられて帳場に向かった。顔は見なかった。ただ黒い影が動いただけだった。
今日は1月8日。
知り合いの女の子の誕生日だ。もう一年以上会っていない。
わたしは毎日のように会っている気がするのだが。
わたしは何杯目かのお茶を入れた。
おめでとう。お幸せに。
お腹タプんタプんだよ…
フィリップ・マーチャンより
愛をこめて
(敬愛する清水俊二さんぽく綴りましーた😜)